民意の定義は難しいが、少なくともバイアス込みで各種世論調査は民意の一端を表現していはいるはずだ。
政治家やマスコミ、「有識者」や専門家たちは、これを「つまみ食い」する。このことも先週の日本国憲法のアイデンティティを論じ動画(「倉持麟太郎の『このクソ素晴らしき世界』」https://www.youtube.com/watch?v=BZnN1kAIqtU&t=2715s)で触れた。
今までよく見られたのが、護憲派の政治家や専門家が、「国民は改憲を望んでいない」というやつだ。たとえば先日の日経新聞が2019年から定点的に行ってきた世論調査では、「改憲について議論すべき」が77%、平均しても70%越え。
戦後の改憲に関する世論調査をひっくり返して分析した境家史郎教授の『憲法と世論』でも、戦後から一貫して賛成も反対もおおよそ50対50だ。
これに加えて、最近では、「緊急事態の発出に」「賛成」、延長に「賛成」が8割などという数字を援用する。
では、女性天皇に賛成やご譲位に賛成が8割や9割だったのはなぜ無視してきた?
要は、自分たちの選挙や政局に有利になる数字をご都合主義的に「つまみ食い」しているだけで、真に民意に寄り添おうとか、そこからこぼれ落ちる人々に手を差し伸べようなどという気はさらさらないのである。
政党が改憲か護憲かという態度決定によって規定されてきたという点も世界的にみても日本憲政は特異な例であり、そのあたりをそろそろ克服しないと、コロナ禍で露になった市民の自由や人権への感覚のなさと政治家のヘタレ感を打破できないだろう。
先週の動画でそんな話もしているので、是非ご覧ください。
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